10月26日(日)~27日(月)

26日(日)、夢の島にある第五福竜丸展示館で行なわれる「新たな出航のコンサート」を聞きに行く。
林光作曲の「ラッキー・ドラゴン・クインテット」が聞けること、そしてもうひとつの目玉は、1958年に上演されたシュプレヒコール劇ともいうべき「最後の武器」(台本:安部公房、作曲:林光)の劇中歌をコンパクトに構成した出し物がある。
こちらはこんにゃく座『ピノッキオ』+『よだかの星』チーム(岡原真弓、佐藤敏之、佐藤久司、太田まり、川中裕子、ピアノ:湯田亜希)がハードな旅公演の合間をぬって稽古して上演にこぎつけた。
どんな作品か知らなかったので、興味津々で聞きに行った。

展示館は、第五福竜丸をすっぽり包み込むサナギのような建物。

木製の船の本体が共鳴するのだろうか?歌も楽器もとても豊かに響く。
前半の器楽(ピアニスト:崔善愛さん他)も、すばらしい演奏だった。そして「最後の武器」。とても新鮮で、面白かった。短く上手にまとめていたし、演出的な工夫も良かった。1958年の怒りは今、この時代に向けても発信する力を持っていると思えた。
とても良いコンサートだったなあ。
こんにゃく座メンバーも大健闘!拍手を贈ります!

そして27日(月)、埼玉県深谷市の明戸小学校で「よだかの星」の公演。
昨日のメンバーは朝7時半から仕込み!
えらい!
ピアニストはいぐまゆこと井口真由子。
今シーズン、まだいぐまゆのピアノでの「よだか」を見てなかったので、見に行った。
私は11時の本番目指して出かけた。
高崎線は難しくていつも赤羽で途方にくれる。だから今日は新宿から湘南新宿ラインで乗り換えなしで行こうと思っていたのに、赤羽付近でトラブルがあってダイヤが乱れて、結局埼京線に乗って赤羽で悩むことに。まあ、とにかくなんとか深谷に行き着くことができたのでした。

学校に着いたら児童の入場が始まっていて、ギリギリセーフ!

開演前は元気いっぱいに騒いでいた子どもたちが、歌のステージが始まったとたん、ぴんと集中して、でもほんのわずかのしぐさや表情に反応して大喜びしてくれるので、歌っている人も楽しいだろうなあ、と思う。

「よだかの星」も、とても良く見てくれた。
本で読んでから見る子もいるだろうし、見てから読む子もいるだろう。
どちらにしても、いろんな感じ方を楽しんでもらえると思う。

ピアノは舞台上、演技は舞台下という変則ヴァージョンだったが、ピアノのいぐまゆもずいぶん落ち着いて、やりにくいだろうに、うまく合わせてくれていた。
全体的に良い感じだった。

今シーズン、島田大翼が染め直してくれたから、衣裳もとてもきれいだ。

終わって6年生の男の子がお礼のことばを言ってくれたのだが、あらかじめ考えておいたことばでなく、見終わった気持ちをすなおに語ってくれたので、すがすがしさを感じた。

給食を食べながら、ダメ出し。とは言え、今日はあまりダメなところはなかった。

さて、2日間の日記を書きましたが、ひとつお知らせです。

こんなに長く書いちゃったから、ここまで読んでもらえないかもしれないけれど。

明後日10月30日(木)、すみだトリフォニー小ホールにて、緋国民楽派のコンサートをやります。
緋国民楽派は、3人の作曲家、吉川和夫、萩京子、寺嶋陸也のグループで、作品演奏会を行なっています。
今回は3人の新作と、林光作品も演奏します。「ラッキー・ドラゴン・クインテット」もやります。めったに聞けないこの曲が一週間のうちに東京で2回演奏されるわけです!

萩京子作品としては、こんにゃく座歌役者大石哲史が、祖母である大石順教尼の短歌による歌を歌います。
大石順教尼は踊りの名手でしたが、17歳のとき事件に巻き込まれ、両腕を切り落とされるという壮絶な体験をします。
その後、口を使って書画を書き、すばらしい作品を残します。結婚、出産を経て仏門に入り、福祉に一生をささげた人でもあります。

短歌集「歌日記」から14首選び、順教尼の生涯が浮かび上がるような構成になっています。
タイトルは「ユンヌ・ヴィ」まさに女の一生です。
孫であり男性である大石哲史が、祖母の残したことばをどんなふうに歌ってくれるでしょうか?

伴奏はマリンバ、通崎睦美さんです。京都から来てくださいます。
通崎さんは著書〈木琴デイズ〉平岡養一「天衣無縫の音楽人生」で今年の吉田秀和賞を受賞されました。

通崎さんにはもう一曲、マリンバのための「バナナン」を演奏していただきます。新作です。

どうぞみなさま、聞きにいらしてください。

入場料は
一般4000円
学生3000円

お申し込みは
東京アーティスツ
03-3440-7571

です。


http://konnyakuza.blog.shinobi.jp/Entry/127/
……2012年6月26日(火)……

萩京子


昨年実現できなかった高田高校での公演。演目は『ネズミの涙』。いつか必ず見てもらいたいと願ってきた。それがこんなに早く実現できたことがとてもありがたく、ちからをつくしてくださった先生方にもお会いしたくて、25日夜行バスで向かう。
高田高校は震災後、陸前高田市の北、大船渡市の大船渡東高校の萱中校舎を仮校舎としている。公演はその萱中校舎の体育館で行なわれた。
私は朝7時、盛(さかり)というバス停に到着。友人の姫田蘭さんも公演を見届けるため、東京から車で来てくれていた。午前中の仕込みの時間、ピアニストの榊原さんも伴って、姫田さんの車で陸前高田市に向かう。
震災から1年と3ヶ月経過した現在の陸前高田の光景をこの目に焼き付ける。高田高校、市役所、市民会館、市民体育館などを見た。市民体育館の前には、海から引き揚げられた乗用車、バス、重機などが並んでいた。どれだけ長い間、海の中にあったのだろうか。車体一面に貝がへばりついているものもある。貝が風に揺れてさらさらとした音をたてる。
瓦礫の山も見た。さまざまな感情が、この瓦礫の山に濃縮されて押し込められているように感じた。暮らしを支えてきたさまざまな物たちが、ある日突然、瓦礫と呼ばれるものになってしまった現実が目の前にあった。



学校に戻って校長先生とお話をする。学校は少しずつ元気をとり戻しつつあるとのこと。実際、校内で出会う生徒たちは溌剌としていて、すれ違うと「こんにちはー」「こんにちはー」とあいさつしてくれる。
犠牲になった22人の生徒とひとりの先生の写真を見る。
今回の公演は図書の先生方が尽力してくださった。エプロンをつけた佐藤一枝先生。お世話になりました。そうそう、学校の図書室にはエプロンをつけた図書の先生がいらしたことを思い出す。高田高校は読書好きの生徒が多いそうだ。図書室の本は津波ですべて流れてしまった。高田高校に本を贈る運動も、たくさんの方がちからをつくして、行なわれている。

音楽の山崎歌子先生にもお会いして、友人のピアニスト、浅井道子さんがカンパを集めて寄贈したピアノを見せてもらう。山崎先生ともいろいろお話できた。座員の彦ちゃんの友人の林さんが高田高校に楽譜を送る活動をしていた。その林さんは山崎先生の友人なのだそうだ。本当にいろいろな人、いろいろな動きが高田高校と繋がっていることを感じる。それらのことを記憶にきざんでおきたいと思う。



『ネズミの涙』公演は、暑いなか、熱心に見てもらえた。終演後、生徒が作ったというサバの水煮や味噌煮の缶詰をおみやげにいただいた。海洋システム科という科があるのだそうだ。

バラシの後、山崎先生のはからいで、合唱部の生徒と交流することができた。男女共学だけれど、合唱部は女子だけ。校歌と「坂道のうた」を聞かせてくれた。
「坂道のうた」は、覚和歌子さんの詩、千住明さんの作曲による歌で、今年、大船渡保育園の園歌としておふたりがプレゼントした「さかみちをのぼって」をベースにした曲で、合唱曲になっていた。校歌も「坂道のうた」もとても素敵な演奏で、心のこもったきれいなハーモニーにジンとしてしまった。涙ぐんでいる座員もいた。こんにゃく座は「ぼくたちのオペラハウス」を歌った。それから写真を撮ったり、『ネズミの涙』劇中のギャグをアンコールなどして、楽しい時間を過ごした。そして最後は、トラックとハイエースなどで私たちが学校を後にするのを、見送ってくれた。生徒たちの笑顔にこちらが励まされた。



こんにゃく座一行は次の公演地、葛巻へ向かう。私は新花巻駅で降ろしてもらい、帰京した。とても長い一日、忘れることのできない一日となった。
「まっぷたつの子爵」が終わり、短い二月があっという間に過ぎ去り、三月はこんにゃく座三班活動の月です。
「森は生きている」「あおくんときいろちゃん」「注文の多い料理店」の三演目すべてに新キャストが入っているため、それぞれ短くも濃厚な稽古が行なわれ、各チーム旅立ちました。
この11日間のご報告です。

「森は生きている」
3月1~5日Aスタにて稽古。6日ゲネプロ。7日初日。
「あおくんときいろちゃん」
3月1~8日Bスタにて稽古。9日出発。10日初日。
「注文の多い料理店」
3月1~5日ベニサンスタジオにて稽古。6~9日Aスタにて稽古。10日出発。11日初日。


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